近年ドーメル社(英)に於いては珍しい冬向きのモヘア混紡の
スーツ地が生産されるようになって来ました。
モヘア素材は元々清涼性を追及する為に春夏に使われる事が多かったのですが冬にも暖かい場所が多くなったのでしょうか?
もしくは地球温暖化で全体が暖かくなったせいでしょうか?
理由は分かりませんがお客様の選択肢が増えたことは喜ばしい事だと思います。
画像1、2枚目はドーメル社(英)のウィンターマジックと生地の耳に入っておりますが
やや薄手ながら張りが有り冬から春に向けてもお召し頂けそうです、
ドーメル社(英)にはヴィンテージ生地で合物のマジックとか夏物のローヤルマジック等が
ございますが風合いは非常に似ております。
これは直輸入物で日本では正規には販売されておりませんので希少性も高いでしょう、色は濃紺無地で現品限りになります。
画像3,4枚目は同じくドーメル社(英)のウィンターモヘアという商標名になります、
こちらは無地のミドルグレーでモヘア混紡ながらローヤルマジックよりも柔らかい風合いで
冬物らしい重さとウール100%の物に近い手触り感があります。
両者共ウール100%やカシミア混紡等冬向きをご敬遠されていた方にはお薦めの一品で
多少暖かい場に於いても快適にお召し頂けるしょう、
また多少暖かくても着用が可能なのでより長い期間お召し頂けるのもメリットでしょうか。
このタイトル通り当店では製作には何時も心掛けている事ですが
長時間着ているとそうでない服とは体への負担感が大きく違ってきます。
近頃既製品やパターンオーダー等広い市場では薄くて軽目の生地が使われる事が
多いのですが体に合って無い服は服自体の重量にあまり関係なく
負担感がでる場合が多いですね。
勿論感覚なので個人差は多少あると思いますが一部(肩周りや首周り)
に重量が掛かると負担感が増すでしょう。
着る方に良く合った服は生地や芯地等の重量にあまり影響されなく
快適な着心地が得られます。
むしろ注文服の場合は服の耐久性と立体感を出す為に
既製品等よりも肉厚で重目の芯地を使い生地も確りした腰のある物を
選択される事が多いのです。
ご覧の出来上がりのスーツもこのようなご要望でご注文頂きました、
感想は確りした重さのある生地の割には
軽い着心地と嬉しいお言葉を頂きました。
また今回のようなタイト目のシルエットと動き易さとの
両方のバランスは難しいのですが
当店では動き易さを取りながら綺麗なシルエットを取るように
お作りさせて頂いております。
比較的ユトリが多い目のスーツをご希望されましたスーツが完成しました。
着心地はユッタリ目ですが第三者から見た視覚は恰幅の良いご体型を補正して
バランスの取れた装いです。
具体的には肩から胸、腰にかけて力みの無い自然なラインで
さり気なく演出しております。
またパンツも上着との連続したバランス感を取りました、
スーツなので見た目の一体感も大切ですね。
テーラーラトではスタイル優先だけではなく身体に合わせる箇所とそうでない箇所を使い分けて着心地と視覚的なバランスを取る事も行っております、
これらは経験を重ね熟練した感覚と技術を必要とする
テーラーならではの仕事でございますが今回のようなビジネススーツでは
一部分を強調し過ぎない端正な装いが必要になってくるからです,
これらはフルオーダーならではの着心地(特に肩周り)を維持し
綿密な体型補正を施しますのでご依頼主様のお好みにも近ずける事が可能です、
もしパターンオーダーやイージーオーダーでご満足頂けない方は一度ご相談頂ければ如何でしょうか?
またお好みによってはデザインをある程度反映させて頂いたりもしております。
使用したスーツ地もテーラー・ロッジ(英)の深みのある濃紺で
格調高く仕立て栄えがしております。
末永くご愛用頂けますと幸いでございます。
※フィッティングに関しまして
テーラー・ラトでは店内にてお客様専用の型紙製作の上
基本的に全ての縫製に仮縫いをお付けしておりますが、
フルオーダーならではの質の高いお仕立を目指しておりますので必要に応じて2回仮縫いをさせて頂く場合がございます。