テーラーラトでは店内で熟練した技術で型紙を起こしてこれを元に仮縫い服を縫い上げます。
2着目以降はこの型紙を使用して再び仮縫いを行いますが、
今回のお客様は前回よりも大きくご体型が変化されましたので上着を最初からお作りさせて頂きました。
ただ一度お作り頂いておりますのである程度のご体型を把握出来ているお陰で調整が少なくて済みました。
このように私共テーラーはお客様のご体型を把握する事も大事な技術として重要視しております、
取得するには経験による年季が必要ですが機械には取って代わる事が出来ませんので
絶やすことなく大切にして行きたいですね。
またこの着せ付けによる仮縫い後は一度服をばらして本縫いの作業に入ります。
テーラーラトでは毎年多くの方に合物用スーツとして重宝して頂いております
英国のミル、ウィリアムハルステッドのスーツ地を
今年は色数のバリエーションを増やしてご用意させて頂いております。
古くからモヘア混紡地作りを得意としたメーカーでのモヘア30%の2PLY(2双糸)で
やや強めの腰で春先から初夏までや秋に着て頂けます。
特筆すべきは出来上がり時に美しいモヘアの発色と堅牢な張りで型崩れを最小限に防いでくれます。
着心地もがっしりとした作りと生地に冷たさがあるので
多少湿気の多い時期にも快適に過ごして頂けます。
また糸が太目なのでモヘア特有の光沢感が控え目で
ビジネスに向いているのも人気の秘密でしょうか、
この織物は他に似織の物が少なく春夏に合う季節感が良く出ていると思います。
お値打ち価格でご提供頂いておりますのでご希望の方はご覧頂ければ幸いです。
先日1月18日の記事は自然な仕上がりの3Pスーツについて掲載させて頂きましたが、
それに共通した話題のスーツを今回も掲載させて頂きます。
今回のお客様は以前通っていたお店はタイト目過ぎる服を作られる傾向があったそうですがスーツ、
特に上着はユトリ具合によって着具合が大きく変化します。
また既製服等は一般的に体の一番ミニマムな箇所に合わせて選ばれる傾向が強いようですが、
そうすると他の部分にユトリが付き過ぎて全体的には大き過ぎる服になってしまう事が多いのです。
注文服はなるべく体に合わせる箇所とユトリを持たせる箇所を使い分け
全体のシルエットは見る相手にとってスマートに見せる事が大事ですね。
良いサイズ感のスーツは着具合が良いのは勿論の事、相手にとっても好印象になります。
そういう意味でも流行に流されず長年着られるお仕事の道具の一つとして
今回の出来上がりのスーツはお気に召して頂けたようです。
具体的な例としましては画像2枚目の背中にややユトリを付けて腕周りを動かし易くするようにしました、
またエレガントに見えるようにウエストを絞りました。
特にハンドメイドは仕立ての良さが着て行く間に体に馴染むように設計されており
愛着が出てくる服として重宝されております。