今回は着せ付けによる仮縫い後の補正または調整作業について一部をご紹介させて頂きます。
またこの作業はフルオーダーについては仕上がりを左右する重要なポイントでもあり
機械では出来ない人の経験と手によってのみ調整可能になっております。
それでは画像順に沿ってご説明させていただきます。
〇画像一枚目:スーツ上下の着せ付けによる仮縫い作業になります、
この時点で必要な修正箇所にピンを打ったり躾糸を解いたりして調整しますが
必要があればお客様にもご意見やご希望をお聞きしたりします。
〇画像2枚目:最初にお客様専用にお作りしておいた型紙になります、
この型紙で生地を裁断して画像一枚目の仮縫いをしております。
〇画像3枚目:画像一枚目の仮縫いで調整した箇所や修正が必要な箇所を型紙に反映させて調整します、
この場合は一部分切れ込みを入れておりますが修正方法や箇所は多岐に渡ります。
これによりお客様の体型や骨格に合わせると同時に着心地やデザインも考慮に入れて行きます、
テーラーの経験や持ち味が反映される重要なポイントになってきます。
〇画像一枚目の仮縫い服を解きアイロンで伸ばした生地のパーツに画像3枚目で修正した型紙を置いて線を引いて行きます。
この引いた線が縫製職人により正確に縫われて仕上がりの服となって行きます、
いわゆる本縫いと呼ばれていますが
この段階でも特に手縫いであれば他にもアイロンによる癖取りや芯地の調整等色々と工夫を加えて行きます。
今回は以上ですが今回は普段あまり目にされる事がないと思いますが仮縫い後の作業中の一つを掲載させていただきました、
この作業は当店のマシンメイドでも同じ段取りを組んでおります、
今後フルオーダーをご検討させる方には参考にして頂ければ幸いです。
ご依頼者様のお好みスタイルのフランネルスーツが完成しました。
生地はミドルグレーのチェック柄で
3ピースのワイドなシングルピーク衿やスラックス巾と裾のダブル、
少し内側にねじれた袖、
ややタイトなウエストで数十年前頃の雰囲気がお望みでした。
また同時に視覚も大切ですが各部に
負担感の少ないゆとり具合も大切にしております。
冬の装いとしてはよく合う雰囲気のフランネルスーツ、
長年ご愛用頂けますと幸いでございます。
先日ご新規様の3ピーススーツの着せ付けによる仮縫いをさせて頂きました。
初めてのお客様は上手くいくかどうか等、
出来上がりにご不安あると思いますが当店も年々型紙や調整手法の改良により補正が少なくなって来ております。
人の体型は全く同じ方はいらっしゃいませんので
ご新規でのご注文がある度に一から制作という事になってきますが
当店は毎回型紙に試行錯誤しながら改良を加えてきましたので
ある程度の補正量や修正を抑えることができてきました。
この様なことはマニュアルや基本的な制作図には載っていないので
自分の経験やノウハウから考える事が重要になってきます、
そうする事で納期を早めたりより理想に近いシルエットや
バランス感を実現したり出来ました。
毎回僅かですが進化している実感をさせて頂いております。