LATO 店主のブログ

鳩胸体型のスーツ。

Date : 2023.12.18 permalink

IMG: 鳩胸体型のスーツ。ご体型でお悩みの方が当店には良くご来店頂きます。
中でも鳩胸体(胸の厚みの有る)は通常の服を着ると
衿のVゾーンが弓なりになり易く正面から見たときに良く目立ちます。
また着ていても胸回りがはだけるだけで無く
着難い服となってしまいます。

この体型は出来上がってからではほぼ修正不可能で
型の製作段階から体型を把握して取り掛からなければなりません。
着せ付けによる仮縫いの段階でも微調整して行くわけですが
デリケートな箇所なので他にも肩パットや芯地の具も調整していきます。
体に合った出来上がりはすっぽりと鎧にはまるような感覚でしょうか?
標準体と同じく自然な装いでご着用頂けます
(画像は今回の鳩胸体型のお客様)。


着せ付けによる仮縫い作業。

Date : 2023.11.28 permalink
IMG: 着せ付けによる仮縫い作業。IMG: 着せ付けによる仮縫い作業。IMG: 着せ付けによる仮縫い作業。

今年の10月4日に仮縫い後の補正作業を掲載させて頂きましたが
今回はその前段階の仮縫い中の作業についてご紹介をさせて頂きます。
まず初めに殆どの場合は実際に使用する生地を使って仮に縫った服を着用して頂きます、
画像のように3つ揃えの場合はパンツ、ベスト、上着と順番に
調整を進めていきます。

仕上げの本縫いとは違い仮に縫ってあるだけなので
縫い目を解いたり詰めたりして簡単に調整を進める事が出来ます。
この時縫い目を調整する事は容易なのですがそれにより他への影響や縫い目以外の調整、
本縫い時のアイロン操作による影響等を同時に考えながら進める事に難しさが出てきます。
また調整する側(カッター)は常にお客様の骨格や型紙も念頭に置きながら作業しますので複雑になってきます、
このあたりにもカッターの熟練した技術が必要となってくるでしょう。

また熟練してくるとある程度人それぞれの骨格を把握できるようになってきますので
お客様のお好みや気にされるポイントもつかみやすくなります。
目に見えない人の想像力が必要とされますのでテーラー技術のメリットを最大限に発揮されることでしょう。
今回は製作側がどのように考え仮縫いの作業を進めているかを当店の視点から簡単に説明させて頂きました、
テーラーで仮縫いの機会がある方はご参考にして頂ければ幸いです。





ヴィンテージ生地の新入荷

Date : 2023.11.20 permalink
IMG: ヴィンテージ生地の新入荷IMG: ヴィンテージ生地の新入荷IMG: ヴィンテージ生地の新入荷IMG: ヴィンテージ生地の新入荷

今回はドブクロス織機等(低速織機)で織られた現在ではなかなか見られない
品質と拘りをもって作られたヴィンテージ生地を多数入荷しましたが一度に載せ切れないので一部をご紹介させて頂きます。

画像2枚目のスーツ地はロンドンの老舗マーチャントのウェイシールは気品に満ちた上質な風合いを得意としております、
この生地はシャークスキンのような織柄に腰のあるボリューム感で低速で織られた風合いが良く伝わってきます。


画像検3枚目はよく知られたドーメルのヴィンテージ。トニックでダークブラウンになります。
このトニックはかなりのボリューム感があり初期のものに近いでしょうか、
とても張りのある仕立て映えに仕上がるでしょう。

画像4枚目は今は廃業しましたテーラー・リトルウッドですが
かつては英国の名産地ハダースフィールドにて織られていました。
こちらはやや薄手ながら非常に腰のある確りした風合いが感じ取れます。
仕上がりは端正な装いで着るほどに愛着がわく一品となるでしょう。

今回はピックアップして3着分のご紹介でしたがどの生地も注文服全盛期に織られた申し分のない良さが伝わってきます、
生産性や効率よりも品質が勝る古き良き時代でした。
ちなみに近年では織機が進化して高速になり生産性や加工技術は上がりましたが
原毛の良さを残す事は難しくなっております。






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