グリーン、グレー、ブルー等、複数の色が混じった
ハウンドトゥースのジャケットが出来上がりました、
遠目に見るとグレー系にも見える色遣いは
奥深い色彩美を与えてくれます。
お仕立ては恰幅のいい方なのでウエストを絞り気味に
してメリハリのあるカッティングを施し、
少し締まった印象になるように致しました。
また肉厚のあると共に柔らかい生地なので仕立て上がりに
程良いボリューム感が出ています、
今後着て頂く間に更に柔らかくなり、
体に馴染んで良い風合いが出てくる事でしょう。
今回は何時もと違ったゆとりのある普遍的なスーツ
をお作りさせて頂きました。
ウエストはあまり絞らなくストレートに近く、
肩幅はやや広め、フロントカットもナロー気味、
全体的にゆったりとした大人の雰囲気を感じる
スーツに仕上げさせて頂きました。
生地も打ち込みのしっかりしたテーラーロッジ(英国)を
使用していますのでゆとりがあっても締まった
装いに見えます、会計士をされている方なので
控え目ですがピッタリのイメージと思います。
このようにテーラー・ラトではご職業等
パーソナルなご要望の上お仕立てさせて
頂く事も大事にしております。
夏と冬の間に向いた(合物と呼んでいます)生地を使い
お仕立てしました。
60年代から80年代にテーラーの生地では良く見られた
ドーメルのトニックというモヘア入りの硬くて非常に丈夫な
生地の似織りで、これからの冬の終わりから
夏前にかけてベストシーズンとなる生地です。
糸は太い目のモヘア混を使っていますので
張りも強く、少々荒く着ても型崩れし難く
長期間美しい張りを保ち続けます。
このような質実剛健な利点も持ち合わせている為に
当時のテーラーではお米のような感覚で
どこのお店にもストックしてあったそうです。
また3枚目の画像は立体的な写真が撮れました、
近年このような生地が少なくなって来たのは
残念ですが
当店にはもう少しストックがあります。