前ボタン位置と衿のゴージ線(上衿とラペルの継ぎ目)を
やや上目に持って来て、少し活動的なスーツが
完成しました。
生地は肉厚の有る英国のヴィンテージ生地を使用し
ましたので張りが有って立体的に仕上がりました。
また着込んで頂く間に体に馴染んで
良い風合いが出てきますね、
スーツ作りで大事な肩周りと
アームホール(袖の付け根)の作りには
重点を置きましたので動き易く着て頂けるでしょう。
仕入先のビンテージのストックの中から
フィンテックスのスーツ地を見つけてきました。
フィンテックスは数有るロンドン中の服地商社の中でも
最高級の服地ばかりを揃えています老舗の
商社として世界中に知られています。
画像の生地も比較的細かなヘリンボーンをベースに
5mm巾の上品なブルーのピンストライプで
奥深い風合いと発色が魅力です。
織り柄、発色共に他には無い魅力的な持ち味がありますが
少し離れて見ると紺無地にも見えますので
スタンダードなビジネススーツとしても
お奨めです。
またこのフィンテックスに限っては仕入れコスト
を抑える事が出来ましたのでお値打ち価格でご提供
させて頂きます。
スコットランド北西40キロの洋上北緯58度線をはさんでハリス島を含めた諸島が有ります。海岸は荒波の浸食により所々断崖絶壁で、陸には美しい丘と綺麗な水をたたえた湖沼が多く存在しますがここはごく一部の樹木が有って一年の大半は嵐が吹きまくり非常に暮らしにくい場所だそうです。
元々は農地が乏しくて島民は漁獲で生計を立てていましたが、自給自足のこの島では石を集めて家を作り、マラオンを取って魚網を編んでいました。
当然着る物も自然と羊毛を糸にし、織物にしていたのも不思議では有りません。
そしてこの布地は発祥し、作り方は他から学んだのではなく
全て島民の創作によったものでした。
ここの羊はへブリアン・ブラック・フェイス種と言う種類の羊で
通常のブラック・フェイス種と違うところはウールとヘアーが荒々しい風土の影響で同じ長さに伸びるそうです。
このウールは風合い、色調、耐久性、保温性等ツイード向きとして極めて優れています。
前置が長くなりましたがハリスツイードの新柄地を
新入荷しました。
画像の生地は洒落た千鳥格子の柄ですが、無地系でも
タッターソール地のベストとも相性が良くて(4枚目の画像)
お洒落な装いを楽しめ、寒い冬にも高い保温性があります。
最初はザックリとした風合いですが着て行く間に
柔らかくなり体に馴染んで着易い服に
変化して行くのも楽しみの一つです。
色柄も益々増えていますので様々な着こなしを
お楽しみ頂けるでしょう。