近頃tailor latoでは秋冬服の仮縫いのラッシュが続いております。
そこで今回はいつもと違う視点から仮縫いの中で
ピンを打つ作業にクローズアップさせて頂きたいと
思います。
この作業は一見して生地が余って皺になった所
をつまんでいるように見えます。
もちろん余計な皺を取るという意味もあるのですが、
実はこれを元に後で型紙の補正を行います。
つまり作業中は型紙がどう変化するか念頭に置きながら
ピンを打っていくのです、
またピンによるつまむ量も大事になってきます、
ピンの打ち所と分量はテーラーによる経験と
技量が試される所なので非常に慎重に
かつ的確に作業を進めなければなりません。
着る方の体型を把握しそれをどのように合わせる事が
必要か、他にも生地の肉厚や伸縮性等も考えながら
作業に織り込んで行きます。
そうして作業を進めた後にお客様のご希望の
スタイルや着心地の服が完成します。
大きな要素はピン打ちと型紙の補正は連携していて
テーラーの服に於いては出来上がりに大きく影響します、
これらの熟練度を増すにはやはり長年の経験と
蓄積、良い指導者が必要になってくるとも思います。
またこの辺が各テーラーも持ち味の一つとも言えるでしょう。
今回は少し専門的になってしまいましたが
普段あまり目や耳にしない
仕立ての内側の世界を少しでもご興味を頂けましたら幸いでございます。