まだ寒い日が多いのですがテーラーラトでは
本日も3組の方が春夏服をご注文に
ご来店頂いている状況でございます。
また先日ご注文頂きましたスーツはスーパー130'sと比較的腰の
柔らか目の春夏地を使用しました。
長時間着ていても着心地が良いようにと
ハンドメイドによる構築的なお仕立て
と薄目の芯地を使いソフトに体に沿うお仕立てに
させて頂きました。
またご体格が大きい方ですが着心地を確保しながら
スリムな印象も大切にしました、
色柄はミドルグレーにライトブルーのストライプで
奥行きのある発色と近くで見ると柄が解るほどの
さり気ない演出のある服で様々な場面でも着て頂き易い
と思います。
全体的には一目で分かる特徴のある
スーツではないのですが、ご本人のお好みの
着心地と長年の使用にも耐える
普遍的なスタイルにより着る方のパーソナリティを
引き立たせ、主張し過ぎない服になりますので
着用する場面によっては大切になってきます。
いわゆるビジネスや社交場等に
向いていると言えるでしょう、
またご自身の演出をお考えの方は仕立て服は
お奨めのアイテムです、
是非ご相談下をお待ちしております。
※フィッティングに関しまして
テーラー・ラトでは
基本的に全ての縫製に仮縫いをお付けしておりますが、
フルオーダー・スタンダードより上のお仕立てグレード
に関しましては必要に応じて2回目の仮縫いをさせて
頂く事があります。
特に初めてオーダー頂いた方では2回仮縫いをさせて頂く事が
あります、当店ではフルオーダーならではの質の高い
お仕立を目指しておりますので
この場合も追加料金は頂いておりません。
今年は大雪が2回も続き寒かった冬という感じになりましたが
tailorLATOでも冬物のお渡しも終わりに近くなってきました。
今回使用しましたたジャケット地はウール&
カシミヤで柔軟性がある艶やかな風合いの物ながら
ON,OFFともご使用して頂ける服です。
ご注文頂いたのは恰幅の良い方でしたが
全体にスキッリと見えるように
しながらゆとりのある着心地に調整させて頂きました、
ジャケットのフロントカットは
お好みによりやや閉じ気味にさせて頂いております。
配色も紺のジャケットにミドルグレーのパンツと
バランスの良い組み合わせなので落ち着き感があり
様々なシーンでご活用頂けるでしょう。
本格的なフロックコートが完成しました、
ヨーロッパ等でで19世紀中頃から20世紀初頭にかけて男性
の礼装用として着られていました、そして日本に於いても
明治時代に政治家が着たりしていました。
また現在では簡略化したものが結婚式で披露宴に着られるくらい
しか見当たらなくなったのが少し残念です。
今回お作りさせて頂いたものは上着の上から着るタイプの
コートでいわゆる通常の防寒用コートと同じ目的
のものですが、昔はベストの上に着る上着用の服として
使用されていました。
平服として着るためにボタンはフォーマル用ではなくて水牛ボタンを取り入れ、
本来ならラペルには拝絹を貼り付けますが今回は省きました。
使用しました生地は冬のフォーマル用の
テーラーロッジ(英)のドスキン、
その中でも最高級と言われるゴールデンベールの商標
のもので上質な風合いと発色が素晴らしい雰囲気
に一味出しています。
カッティングも通常のコート等に比べれば複雑で特徴が
あります、大きく違うのは前後共腰の辺りで切り替え
(上下に分離)てあります。
それと後の腰から下には燕尾服のようなダーツや長い
ベントが入ります。
そのような中で構造が複雑ではありますがお尻の辺りに
ふっくらと膨らみができて優雅なシルエットが
可能になります、当時の人々のスタイルの拘りを
何か感じるような気が致します。
今回のような本格的なフロックコートのご注文は
tailorLATOにとっても珍しい事ではありますが、
他にもご希望のスタイル等がございましたら
いろいろとご相談をお受けしております、
お気軽にご相談頂ければ幸いでございます。
ただこような服を縫える職人の方が少なくなって来たのが
少し残念です。