今回は久しぶりにダブルスーツを掲載させて頂きます。
使用しましたスーツ地は1885年創業の英国ミル、
スタンドイーブン社のミドルグレーで
目付けが良く確りした腰のある物でクラッシックな装いには最適でしょう。
見た目も打ち合いの深さから重厚な感じを受け英国ではチャールズ皇太子もダブルスーツは好んで良く着られてるようにシングルスーツよりも格調高く見えます。
着方としてはフロントボタンは必ず留めなければなりませんがその分お立合いになられる方にもより強い印象を与える事が出来るでしょう。
またご依頼主は今回で3着目なので仮縫いは1回で収まりましたが必要に応じては2回させて頂く事もございます、
特に初めてのご注文の方で調整箇所が多い場合ですね。
目的はシルエット、デザインを整え、
体のデメリットを隠して両方のバランスを
とって行く必要もあるからです。
着心地も見た目ほどタイトではありません、
この点については毎度のことですが長時間リラックスしてお召し頂けるよう心掛けております。
学会等にご着用されるとの事でしたが長年ご愛用頂けますと幸いでございます。
着る方のご体型のサイズ感がちょうど良く個性的な装いのスーツが完成しました。
まず目に留まるのはワイドなピークラペルに大きく開いたフロントカットでしょうか?
ややタイト目でスマートなご体型にはラペルの存在感があり5,60年前のスーツを思い出させてくれます。
腰ポケットは蓋の無い切りポケットになっておりシンプルな印象になっておりますがラペルと合わせて見ると
この辺りのディテールはかつて西洋で平服として着られていたフロックコートにも似ているでしょうか、
興味を惹かれるところです。
テーラーラトではこのようなビスポークと呼ばれるお客様との対話から始まる
一から手で作り上げていく服をお作りさせて頂いております。
お好みのデザイン、ディテール、ユトリ具合等多岐に渡り考慮したものを
手作業で起こした型紙や仮縫いに反映させて作り上げて行きます。
発色もダーク系ピンヘッドチェックで渋目の落ち着いた雰囲気が有りビジネスにもご着用頂けるでしょう、
お好みにより袖付け部には強目の雨降り袖(画像2枚目)を入れさせて頂きました。
今回はいかり肩のお悩みの方のスーツをお作りさせて頂きました。
今までのお持ちのスーツは肩に負担感が大きい事や首の下に皺等が出る事でご満足頂けてなかったようです。
全体のバランスを取りながら肩周りの入念な調整が必要でしたので仮縫いは2回に渡り行いました。
使用しましたスーツ地はハリソン・エジンバラ(英)の濃紺シャドウストライプで
光の当たり具合により柄に変化が出て美しい模様が印象的です。
またリラックスした着心地を確保しながらご体型の欠点をカバーして
なるべくスマートに見えるようなシルエットにも調整させて頂いております、
比較的ご年配の方ですが若々しく見えるのではないでしょうか。
出来上がりはお気に召して頂けたようで何よりでした、
ビジネスやプライベートにご愛用頂けると幸いでございます。