平成が終わって令和が始まりましたが皆様は如何お過ごしでしょうか?
テーラーラトではこのブログから始めたいと思います、
今後もどうぞ宜しくお願い致します。
早速ですが今回のスーツは2着目のご注文になりましたので当然ながら1着目よりも補正が進んで完成度が上がりました。
使用しましたスーツ地はモヘア混紡の薄手の物なので皺等が出易く僅かなユトリ具合がシルエットにも影響が出てきますが、
2枚目写真のように特に後ろ姿は肩から背中にかけて吸い付くようなシルエットも出すことが出来ました。
全体的には細身のご体型なので胸周りや背中の巾をやや大きくしてメリハリのあるスーツに仕上げさせて頂いております。
テーラーによってはこの辺りの感覚も個性の見せ所でしょうか。
またご本人様のお好みで腰ポケットはスラントのチェンジポケットにしてアクセントを付けさせて頂きました。
日々のお仕事等に快適にお召し頂ければ何よりでございます。
ヨーロッパでは夏向きのウール100%の生地をサマーウーステッド
またはサマーウースと呼んでおります。
日本では真夏は湿気が高いので盛夏を除いた夏向きになるでしょうか。
利点は軽くて動き易く皺も吊るして置けば早目に取れる復元力があります。
今回はそのサマーウーステッドを使ったご注文でした。
ご新規のお客様でしたがやや鳩胸のスポーツ体型の方で
肩周りのフィッティングもしくは着心地を確保しつつ
Vゾーン(ラペルの返り線)が開かないように製作させて頂きました。
補足しておきますと鳩胸体の方は標準体の服を着ると
Vゾーンが弓形に開く事がよくあり、
お悩みの方も比較的多くいらっしゃるようです。
全体的にはタイト目をご希望でしたが仮縫い時には
動きを妨げないように細心の注意を払いながら作業を進めさせて頂きました、
そしてご試着はご満足頂けたようで何よりでございました。
近頃は暖かい日も増えてまいりましたが今先日納品させて頂きました
2着同時にご注文頂きましたビジネススーツの出来上がりを掲載させて頂きます。
最初にお客様のご体型は中肉中背位の方でご注文時のご希望は
着具合に影響が出ない程度にスッキリ見えるビジネススーツでした。
まずはお腹周りをスマートに見せ肩幅も全体のバランスを考慮しながら型紙に反映させ製作を進行致しました。
その後の仮縫いではユトリ具合はお好みに合っているか、腕周りの動作に影響はどうか?ズボンの股上の生具合はどうか?
シルエットのバランスは取れているか等色々と細かく調整を進めさせております。
また生地の性質(伸縮性や厚み)がそれぞれ違いますので微妙に寸法を変えてある個所がございます、
一つは伸縮性の少ないモヘア混紡2PLY,もう一つは柔らかく比較的伸縮性のあるカシミア混紡スーツ地でしたが
この調整によりなるべく2着共同じ感覚で着られ視覚が得られるように工夫させて頂きました。
そして実際のご試着時にはご満足頂けましたようで何よりでございました。
手仕事ならではの丁寧に仕立てられた注文服は長年に渡り端正な装いに整えてくれるでしょう。