本格的なフロックコートが完成しました、
ヨーロッパ等でで19世紀中頃から20世紀初頭にかけて男性
の礼装用として着られていました、そして日本に於いても
明治時代に政治家が着たりしていました。
また現在では簡略化したものが結婚式で披露宴に着られるくらい
しか見当たらなくなったのが少し残念です。
今回お作りさせて頂いたものは上着の上から着るタイプの
コートでいわゆる通常の防寒用コートと同じ目的
のものですが、昔はベストの上に着る上着用の服として
使用されていました。
平服として着るためにボタンはフォーマル用ではなくて水牛ボタンを取り入れ、
本来ならラペルには拝絹を貼り付けますが今回は省きました。
使用しました生地は冬のフォーマル用の
テーラーロッジ(英)のドスキン、
その中でも最高級と言われるゴールデンベールの商標
のもので上質な風合いと発色が素晴らしい雰囲気
に一味出しています。
カッティングも通常のコート等に比べれば複雑で特徴が
あります、大きく違うのは前後共腰の辺りで切り替え
(上下に分離)てあります。
それと後の腰から下には燕尾服のようなダーツや長い
ベントが入ります。
そのような中で構造が複雑ではありますがお尻の辺りに
ふっくらと膨らみができて優雅なシルエットが
可能になります、当時の人々のスタイルの拘りを
何か感じるような気が致します。
今回のような本格的なフロックコートのご注文は
tailorLATOにとっても珍しい事ではありますが、
他にもご希望のスタイル等がございましたら
いろいろとご相談をお受けしております、
お気軽にご相談頂ければ幸いでございます。
ただこような服を縫える職人の方が少なくなって来たのが
少し残念です。